近代日本の身装文化(身装画像)
説明 〈遡及資料〉縁日の夜店を見て歩く人混み。テレビもラジオもなかった時代の夕食後、床に入るまでの時間の過ごし方はいまでは想像しにくい。ただ暑いあいだは家の前に置いた縁台の夜ばなしとか、都会であると週に一,二回はそう遠くない寺や社の縁日があった。水天宮様の日とか、お閻魔様の日とかいうのが決まっていて、店では売っていないようなめずらしい際物とか、子どもの喜ぶ駄菓子などの屋台が吊りランプやカンテラの光に照らされて並んでいた。近所の縁日はもちろん、電車に乗ってゆくほどの遠くまでもあしを伸ばすこともある。子どもばかりでなく、けっこう楽しいそぞろ歩きの時間つぶしになった。新聞には市内のその日の縁日が、夜店ばかりではないが、この時代だったら百軒以上もあった寄席、講釈場の出演者の紹介の傍に載っている。画面では警察の密偵が女の帯の間から財布を抜き取った掏摸(スリ)を捕らえたところ。中央、鳥打帽子に紺絣の裾長の書生羽織、縞のきものを着、下に着ているカフスのあるシャツの袖口を見せ、ノメリの表付きの下駄に紺足袋をはいた男が密偵らしい。ありふれた書生風のようだが、被っている帽子が刑事くさいともいえる。本文によればこれは刑事ではなく、刑事の下に使われる諜者ということになっている。とすると前代のご用聞きと下っ引き、手先に似た仕組みが残っていたようだ。(大丸 弘)
ID No. N88-003
出典資料 都新聞
発行年月日 1899(明治32)年3月31日号 3面
小説のタイトル 近世実話 五寸釘寅吉(60)
作者 伊原青々園(伊原敏郎)(1870-1941)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード K015:[夜店・縁日等の、屋台店の並ぶ街角]
D4ke:[警察官;目明かし]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
Qkas:[絣]
Vhao:[羽織]
Vta:[足袋]
Wge:[下駄;クロッグ]
Vhat:[半天;どてら]
Vmom:[股引]
Wzo:[草履;草鞋]
Wta:[タオル;手拭い;手拭い被り]
時代区分・年代 19世紀後半;1888(明治21)年
国名 日本
キーワード 刑事;鳥打帽子;鳥打ち帽子;竪縞のきもの;書生羽織;シャツ;ワイシャツ;ホワイトシャツ;カフス;紺足袋;のめり下駄;半纏;盗人被り;盗人かぶり;植木鉢
男女別 男性;女性
体の部分 群像