近代日本の身装文化(身装画像)
説明 挿絵担当の小林秀恒は、この時代の人形的美貌人物を描いた挿絵画家のひとり。岩田専太郎の弟子だからとか、志村立美と一緒に仕事をしたからとかいわれるが、彼らの描く美貌にはほぼ共通した強固な理念があって、だれがだれに教わったとか、真似したとかはわかりようがない。それはなによりも男女ともに、積み木かピラミッドのように直角的で大きな鼻と、睫毛が廂(庇)(ヒサシ)のようにかぶさる切れ長の目だ。ストーリーがどうあれ、美貌の男女というとかならずこの顔の出てくるのが、昭和十年代の雑誌新聞の、一連の連載小説だった。一方で素朴な、といってもよいリアリズムの線で人物像を追った小磯良平だとか、陰影の深いタッチで屈折した女性イメージを表現した宮本三郎とか、挿絵界はもちろん多士済々(タシセイセイ)だったが、そのなかでこの現代の錦絵風といってよい、決まりきった人形顔美男美女に読者は陶酔していた、と信じられている。縁端で悪態をついている父親に愛想を尽かしている娘の髪は、襟足を出していくぶんアップ気味にしている。この時代の美容院では、パーマネントの客以外は、中年はハイカラ、若い人は洋髪、とほぼ決まっていた。パーマネントをかけた髪や洋髪には髷はなく、熱アイロンとローションと多量のピンとで、自由自在の形をつけることができた。(大丸 弘)
ID No. N38-002
出典資料 東京日日新聞
発行年月日 1938(昭和13)年7月24日号 5面
画家・撮影者 小林秀恒(1908-1942)
小説のタイトル 沙羅乙女(5):我家の平和(5)
作者 獅子文六(岩田豊雄)(1893-1969)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード G043:[縁先;縁端]
D2pa:[パーマネントウエーブ]
Vtas:[襷]
Wou:[扇子;団扇;扇風機]
時代区分・年代 20世紀前半;1938(昭和13)年
国名 日本
キーワード 縁側;廊下;小さい頭;短髪;襷掛け;腕まくり;うちわ
男女別 男性;女性
体の部分 全身;上半身;坐臥