近代日本の身装文化(身装画像)
説明 夫の病院行きに付き添ってゆこうという妻。「艶やかに盛装したお延が澄まして其処に坐っていた(……)赤い手柄をかけた大丸髷と、派手な刺繍をした半襟の模様と、それからその真ん中にある化粧後の白い顔と(……)あんまりおつくりが大袈裟だからね」。病院に付き添ってゆくのは初めてで、妻は夫の病状の深刻さを具体的には知らない。妻は「だって貴方今日は日曜よ」などと言っている。「どうもそういうでこでこな服装(フクソウ)をして、あのお医者様へ夫婦お揃いで乗り込むのは、少し(……)」、きものを着替えるのは時間がかかって大変だから――という妻に、けっきょく夫は妥協させられる。この頃から挿絵は、物語を舞台の上で見るように描くのではなくなっている。しかしシンボリックな表現方法に読者が慣れるには、いくぶんか時間がかかるだろうし、画家の側の知的練達も必要なようだ。(大丸 弘)
ID No. A16-027
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1916(大正5)年7月6日号 6面
画家・撮影者 名取春仙(1886-1960)
小説のタイトル 明暗(39)
作者 夏目漱石(1867-1916)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2ma:[丸髷]
Vhan:[半襟]
Wka:[鞄]
時代区分・年代 20世紀前半;1916(大正5)年
国名 日本
キーワード 革かばん
男女別 女性
体の部分 頭部