近代日本の身装文化(身装画像)
説明 〈遡及資料〉深川の鳶(トビ)の小頭が、仲間の息子の縁談の口利きのため、顔見知りの芸者の家を訪ねた。何人かの妓を抱えている姐さんのまっすぐな背筋と、むずかしい相談を持ち込んだ頭の低姿勢がよく表現されている。火箸の突っ立っている小さな手あぶり火鉢を前に窮屈そうにかしこまっている小頭は、鳶職らしく三分刈りにして、紺の腹掛けに半纏、その上に襟が返っているから羽織を重ねているようだ。鳶の者が出入りのお店などに改まった訪問をするときは、相手の家の名が背中や襟に入った法被を着るのがふつうだが、いわば祝い事の申し入れということで羽織を重ねたのだろうが、紋附ではなく縞の羽織、というのが下町のこの人たちの世界。穿いているのはパッチ。関東では絹の股引だけをパッチと言った。脚にピッタリしているのが見栄だったから、こんな正座は長くはしていられない。粗い三升格子の黒襟付きの丹前を羽織って対座している姐さんの髪は潰し島田。お約束の長煙管で、膝の前には小さな刻み入れが置いてある。(大丸 弘)
ID No. A05-126
出典資料 都新聞
発行年月日 1905(明治38)年2月16日号 1面
画家・撮影者 富岡永洗(藻斎永洗)(1864-1905)
小説のタイトル 歌吉心中(53)
作者 橋本埋木庵(生没年不詳)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H311:[私室;小部屋(寝具のないこと);ブドワール]
D7ge:[芸者;半玉;舞妓]
D2sim:[島田;高島田]
Vka:[掛襟]
Vhat:[半天;どてら]
Wki:[喫煙関連;タバコ;キセル]
D2ot:[男の髪型]
Vhao:[羽織]
D3ka:[重ね(着);重ね方]
Vmom:[股引]
D80:[姿勢;ポーズ(特異な姿勢・ポーズ・格好一般)]
時代区分・年代 19世紀後半;1874(明治7)年
国名 日本
特定地域 東京;深川
キーワード 芸者屋;潰し島田;つぶし島田;丹前;黒襟;長煙管(きせる);刻み入れ;鳶(とび);三分刈り;竪縞の羽織;腹掛け;絹のパッチ;正座;火鉢;薬缶(やかん);箪笥(たんす)
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥