近代日本の身装文化(身装画像)
説明 この日のストーリーと挿絵とはなんの関係もない、挿絵では裏店の母と子が描かれている。東京で近代的上水道が中心部への給水をはじめるのは1899(明治32)年(→年表〈事件〉1899年1月 「東京中心部への水道供給」1899年1月)。だからこの小説の時代はまだ江戸時代のままの上水に頼った井戸だった。母親は丸髷を結っている。裏店暮らしの女が髪を商売人の手にかけるわけがないので、たいていはじぶんの手で簡単にまとめる。丸髷は日本髪の中でもむずかしい髪なので、近所の特別手先の器用な人に頼んだりしなければならない。それで一回結うとできるだけ長く保たせるのに苦労した。だからひと月も経つと、なんだか訳のわからない形になっていたりした。不自由な暮らしでもこの子は袂の長いきものを着て、しかも草履をはいている。東京ではかなり貧乏人の子でも、袂のあるきものを着せようとする傾向があったらしいが、この場合は親子の、むかしの身分へのこだわりがあると見られる。(大丸 弘)
ID No. N97-003
出典資料 報知新聞
発行年月日 1897(明治30)年1月15日号 1面
画家・撮影者 鈴木華邨(1860-1919)
小説のタイトル 日の出島:使命
作者 村井弦斎(1863-1927)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード K122:[水汲み場;洗濯場;共同井戸]
D2ma:[丸髷]
Vka:[掛襟]
Vhan:[半襟]
D3su:[裾;褄;端折り;からげ]
D011:[男の幼児(だいたい就学以前)]
Vfu:[振袖;袂]
Wzo:[草履;草鞋]
D801:[強い悩み・悲しみ・口惜しさ・羞恥の表現]
時代区分・年代 19世紀終わり;1897(明治30)年
国名 日本
キーワード 井戸;黒襟;はしょり;わらじ
男女別 女性;男児
体の部分 全身