近代日本の身装文化(身装画像)
説明 読み切りの短編。デパートの香水売り場に勤める、貧しい十九になる女性。親ひとり子ひとりの母親の開腹手術のために三百円の金が要る。何もかも売り払い、同じデパートに勤める恋人にも相談したが、彼にできた金は五十円ほど。おまけに悪いことに、千疋屋でその相談をしているところを専務に見られた。このデパートでは社員の恋愛は御法度で、それを犯せば職を失わねばならない――、という危機。デパートの洋品、化粧品売場の売り子といえば美人揃いというのが定評だが、この時代の職業婦人の中では収入が多いとはいえない。それは職場の環境柄、自分の身なりにかける支出の多いため(→年表〈現況〉1933年10月 「各種職業婦人の蟇口しらべ 嫁入りまでの仕事なら見栄をすてゝ堅実な仕事を 家計を助ける―の名はいゝが果して収支は?」読売新聞 1933年10月11日9面)。この挿絵でも彼女はトップモードを着ている。被っているのは浅いクローシュ、テーラードスーツのジャケットのラペルは大きく、スカートはサーキュラー風の豊かなギャザーがある。襟元は柄物のネッカチーフで覆っていて、これで手袋をしていれば隙のない銀座のお嬢さん。人目をはばかる相談に千疋屋というのも場所が悪い。上役の専務に出会ったのもふしぎではなかった。身体を投げ出すより仕方のなくなった貧しい娘の話としては、やや違和感のある挿絵。(大丸 弘)
ID No. N33-002
出典資料 報知新聞
発行年月日 1933(昭和8)年2月15日号 4面
画家・撮影者 須藤しげる(須藤重)(1898-1946)
小説のタイトル 懸賞入選 短編小説 或る結婚
作者 佐藤一夫(生没年不詳)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H11:[宴会の座敷;レストラン]
D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
Psu:[スーツと附属品]
D6se:[洋装;西洋化;西洋観;ハイカラ;西洋かぶれ;開化ぶり;西洋憧憬]
Wne:[ネクタイ;ネックバンド]
Wme:[眼鏡]
D1hi:[ひげ]
時代区分・年代 20世紀前半;1933(昭和8)年
国名 日本
特定地域 東京
キーワード 千疋屋;クロッシュ;クロッシェ;クローシュ;クローシェ;テーラードスーツ;スカート;女性洋装;中折帽子;中折れ帽子;チョッキ;スカーフ;口髭
男女別 男性;女性
体の部分 全身