近代日本の身装文化(身装画像)
説明 和琴の前に正座して爪を嵌めている西洋婦人。洋画家が挿絵を描くようになってからけっこう年月が経っていても、このような陰影表現で描かれて人物には、素朴な読者は最初の間、かなり抵抗があったにちがいない。作者はこの若い西洋婦人を美しいものにえがきだしている。「薄鼠色の平常服(フダンギ)を着た透き通るような女である」。欧米人女性の肌の白さは多くの日本人には驚異だったらしく、どちらかといえば西洋風を好まなかった伊東深水もそれには甲を脱いでいる(→年表〈現況〉1922年 伊東深水「夏の婦人美」東日マガジン 1922年6月25日号 8面)。もっとも、近くに寄ってみると肌のキメが粗いとか、うぶ毛がいっぱいだとか、雀斑だらけだとか、難癖をつける人もあったが。そういう欧米人の美しさを表現するには、もう十年前のように線描だけの、二重瞼で髪の毛の縮れた女性を描くだけでは、リアリティーが感じられなくなっていた。女性は琴の前に正座している。これは彼女たちにとって琴のレッスン以上の苦しい修行だったろう。和風楽器の演奏ばかりでなく、生花、茶の湯などでも、正座することがなにか意味のあることのように考えた時期があった。もっとも日本人の多くは、単純に当然のことと考えていたか、なにも考えていなかったのかもしれない。(大丸 弘)
ID No. N13-003
出典資料 大阪朝日新聞
発行年月日 1913(大正2)年4月30日号 4面
画家・撮影者 赤松麟作(1878-1953)
小説のタイトル 闇の女:絵の島(1)
作者 田井新一(田井羊公)(生没年不詳)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7se:[西洋人モデル;混血児タイプ]
D6se:[洋装;西洋化;西洋観;ハイカラ;西洋かぶれ;開化ぶり;西洋憧憬]
Jho:[楽器の演奏;ホームコンサート]
時代区分・年代 20世紀前半;1913(大正2)年
国名 日本
キーワード 琴;正座
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥