近代日本の身装文化(身装画像)
説明 姉妹の恋争い。この姉妹は松野子、菊野子というやや耳障りな名前を持っている。もともと、女性の名の末尾に「子」を付けるのは公家の習慣だった。開化の時代になって、だれもが公家や士族と同じに苗字を許されるようになると、こんどは女性の戸籍名に子を付けることが広がりだす。もっとも日常の呼び名としては、あたまに「お」を付ける習慣が半世紀ぐらいは残るので、この作品の時代に、あたまに「お」を付けにくい松野だとか、菊野だとか、馨だとかいう三音名前は、それだけでその女性に、ある種のイメージを付加したに違いない。その上さらに、三音名前に子を付ける人もあって、男性と間違われないため、という場合もあったろうが、やはり物々しい印象を与えることは避けられなかったろう。この年あたりから、新聞挿絵画家としての洋画家・渡部審也の活動がはじまる。渡部の描く女性の顔は、だれを描いてもみな同じようだったが、しかしそれでも、従来の浮世絵式の顔とはまったく違う、いわば新しい女性像が提供され、それはたまたまこの時期に話題になっていた〈新しい女〉に通じるなにかを、読者に感じさせたかもしれない。(大丸 弘)
ID No. N06-008
出典資料 時事新報
発行年月日 1906(明治39)年9月2日号 11面
小説のタイトル 黒風(16)(1)
作者 みぎは生
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2hi:[束髪(庇髪など、後期平型の)]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
Vhan:[半襟]
Wme:[眼鏡]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
Wtu:[杖;ステッキ;松葉杖]
時代区分・年代 20世紀初め;1906(明治39)年
国名 日本
キーワード リボン;中振り袖のきもの;男性洋装;ジャケット;ズボン
男女別 男性;女性
体の部分 全身
関連情報 N06-007, N06-008