| 説明 | 子爵家の令嬢が、家と家とで取り決めた縁談を婚礼のその日になって捨て、身の回りのもの一切を捨てて、乞食暮らしの男のもとに奔(ハシ)る、という奇談。ヒロインはその日の朝は「疾く起出で先ず鏡台に打向かい、手づから束髪を結終わり」、それから湯殿で手水(チョウズ)を使っている(第33回)。第34回はそのあと兄夫婦に別れの挨拶をする場面。第35回は乞食仲間の老人の住む陋屋(ロウオク)で三三九度の杯を挙げている。ふつうに見るとこの女性の髪は銀杏返しのようにも小さなふくら雀のようにも見えるのだが、本文では上述のとおり、「手づから結った束髪」と断っている。本文と挿絵の食い違いは新聞小説ではめずらしいことではないが、これもそのひとつの事例だろうか。ただし第35回の髪を見ると、前髪も鬢(ビン)も髱(タボ=後ろ髪)もごく小さく、とりわけ髱など、ないに等しい。壁や障子の傷みや破れをふさぐために、やたらに屑紙を貼りつけてあるのがこの時代の陋屋の特徴。(大丸 弘) |
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| ID No. | HC96-005 |
| 出典資料 | 東京朝日新聞 |
| 発行年月日 | 1896(明治29)年3月18日号 5面 |
| 画家・撮影者 | 右田年英(梧斎年英)(1863-1925) |
| 小説のタイトル | お菰様(おこもさま)(35) |
| 作者 | 半井桃水(1860-1925) |
| 資料タイプ | 挿絵 |
| 身装画像コード | Jkr:[婚礼と、その関連行事,花嫁] D005:[20~30歳代の女性;年増] D2:[ヘアスタイル] D2ic:[銀杏返し] D3ob:[帯の締め方;帯の位置] D014:[若い男(20歳前後~30歳前後)] D016:[中年~初老の男性] D1hi:[ひげ] Ets:[つぎ;繕い] |
| 時代区分・年代 | 19世紀終わり;1896(明治29)年 |
| 国名 | 日本 |
| キーワード | 貧乏;破れ障子;三三九度;急須;お盆;正座;無精髭;束髪風;ふくら雀風;引っ掛け結び;ひっかけ結び |
| 男女別 | 男性;女性 |
| 体の部分 | 全身;坐臥 |
| 関連情報 | HC96-004, HC96-005 |