近代日本の身装文化(身装画像)
説明 第13回は銀行家の妻で、四十近くだが年の割には色つやがよく、身づくろいも若やかという女。子どももないのに三十代後半というと、この時代はもうけっこうな年のように考えられていた。別荘の広い庭の向こうで、姪と、夫の銀行の若手社員とがふざけあっているのを眺めている。「髪の薄いのをひどく気にして、前髪にも鬢(ビン)にも厚い入れ毛をしているのが透けて見えている」とある。毛の薄い女というと性格の冷たい女のように、小説作者は書く傾向がある。結っている丸髷は年相応の大きさ、と言うよりやや大きめかもしれない。それを髢(カモジ)を使って結っているところにも、この女の気分が表されている。第14回でその婦人と向かい合っているのは、この家に使われている仲働きの女。結っている髪は奥様同様の丸髷だが、前髪が小ぶりで、髷も髱(タボ=後ろ髪)も低めにしている。この「金歯のお島さん」のその自慢の歯を、小さな挿絵で苦労して描いている。金歯を見栄にする風習は第二次世界大戦後はなくなった。(大丸 弘)
ID No. HC16-002
出典資料 都新聞
発行年月日 1916(大正5)年6月9日号 3面
画家・撮影者 井川洗厓(1876-1961)
小説のタイトル 浮雲(14):大沢家(4)
作者 外ヶ浜人
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D005:[20~30歳代の女性;年増]
D2ma:[丸髷]
D1kat:[かつら;かもじ]
D3ut:[打合せ;襟あき;ぬき襟]
D4ge:[下女;下男;召使い]
時代区分・年代 20世紀前半;1916(大正5)年
国名 日本
キーワード 髢(かもじ);竪縞のきもの;金歯;テーブル
男女別 女性
体の部分 全身;上半身;坐臥
関連情報 HC16-001, HC16-002