近代日本の身装文化(身装画像)
説明 簀戸を立てた夏座敷に、薄縁を敷いて座っている女性は、「周子は白っぽい縞の御召の単衣に、例の揚巻すっきりとした水仙とも見る姿」とあって、ここでは揚巻の束髪を、これから夫に愛想尽かしをいう、女の冷たい美しさに対応させているようだ。初期の揚巻(上巻)と比べるとこの時代は背面に膨らみが生じ、とくに髱(タボ=後ろ髪)が襟首を覆うようになっている。ともあれ、ひと頃ほどではないにしろ、束髪はまだそれほどだれもが結っているという髪ではなかったらしい。連載の第1回に、この女性が夜道で危害に遭う場面で、人力車上の彼女を、「ウム、揚巻を結うたあの女ハ、水城周子だ、確かに夫れに相違ない、絶世の美人と評判される音楽家の周子が(……)」と、知人がそれと見定めるのも、ひとつには揚巻を結う女自体が、そう多くないためもあるだろう。(大丸 弘)
ID No. D11-076
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1899(明治32)年10月21日号 5面
小説のタイトル 美人画(43)
作者 三宅青軒(緑旋風)(1864-1914)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H6:[和座敷一般]
D2so:[束髪(前期縦型の)]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
Wou:[扇子;団扇;扇風機]
Vhao:[羽織]
Qkas:[絣]
Vta:[足袋]
時代区分・年代 19世紀終わり;1899(明治32)年
国名 日本
キーワード 夏座敷;簀戸(すど);簾戸(すど);葦戸(よしど);上げ巻;竪縞のきもの;お太鼓結び;うちわ;飛白のきもの;白足袋;座布団;ビール瓶;行灯
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥