近代日本の身装文化(身装画像)
説明 第53回は華族家の広い庭で、陶製の太鼓倚子に腰掛けて向かい合う男女。「静かに夜会結を捻じむけたる富子(……)」とあるこの女性は、二十歳を少し過ぎたころで、両親を早く失ったために伯父叔母の許で育てられ、教育はふつうに受けているが、年の割には苦労をしているという。器量よりも愛嬌で人を惹きつけるタイプの娘、男の値踏みと駆け引きにいそがしい。縦型束髪の最後の時期に上巻の変形として現れたのが夜会で、挿絵の小さな絵でははっきりしないが、後頭部の髪を捻ってあげる点に特色がある。第53回の男はこの家の息子、第55回は娘と逢うのが目的で当家を訪れた子爵で、どちらもこの娘の標的の中の男。身体に比べてお太鼓帯の大きさが異様のように見える。結び方にもよるが、むしろ当時の女性の一般に小柄だったことのあらわれ。(大丸 弘)
ID No. D11-029
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1899(明治32)年5月8日号 5面
小説のタイトル 解衣(ときぎぬ)(53)
作者 加藤眠柳(生年不詳-1920)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
D2so:[束髪(前期縦型の)]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
D1hi:[ひげ]
Wne:[ネクタイ;ネックバンド]
Wbut:[ブーツ;長靴]
時代区分・年代 19世紀終わり;1899(明治32)年
国名 日本
キーワード 庭;お太鼓結び;口髭;背広;ネクタイ;チョッキ;ズボン;ブーツ;陶製椅子
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥
関連情報 D11-029, D11-031