近代日本の身装文化(身装画像)
説明 探している娘が、吉原で花魁となって張り見世をしているかもしれない、ということで、廓の中を尋ね歩いている二人の若者。張り見世については次第に規制が強まり、また吉原と新宿、州崎など場末の廓とでは方法にちがいがあった。吉原はかなり後まで通りに面して間になんの障害物も置かず、花魁の控えている格子がずらりと並んでいて、その華やかさは言いようがなかった、と追憶する人もある。ただし、見世の格が上がるほど、花魁と客との距離は遠かったらしい。主人公も、格子に近寄っている友人も、二重廻しの頭巾を目深に被っている。現代ではにわか雨にでも遭わないかぎり、オーバーコートなどのフードを街中で被る人はあまり見かけないが、この時代の人は男も女も江戸時代の風をまだ受け継いでいて、人に顔を見られまいとする気分が強かったようだ。格子を背にしている職人風の男は、古風な弥蔵被りの手拭いで顔を隠している。(大丸 弘)
ID No. D11-010
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1899(明治32)年2月25日号 6面
画家・撮影者 阪田耕雪(坂田耕雪)(1871-1935)
小説のタイトル 心中二つ巴(41)
作者 広津柳浪(1861-1928)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード Wzu:[頭巾;覆面]
Vwa:[男性和装外套]
Wta:[タオル;手拭い;手拭い被り]
G016:[妓楼(窓・格子のみも含む)]
時代区分・年代 19世紀終わり;1899(明治32)年
国名 日本
特定地域 東京;吉原
キーワード [インバネス;トンビ;鳶(とんび);二重回し;二重廻し;二重外套;二重マント];弥蔵被り;弥蔵かぶり
男女別 男性
体の部分 全身;群像