近代日本の身装文化(身装画像)
説明 〈借切りの室〉は、東京行きの列車の一等車に、神戸から乗り込んだ紳士と芸者。芸者は神戸では売れっ子の芸者、それがこの男性に打ち込んでどこまでも離れないと言い切っている。幸い一等車はいまのところほかに客がいず、貸し切りのよう。流行りの吾妻コートを着た芸者の髪は今風の束髪。まだ横に拡がることはないが、たっぷり髱(タボ=後ろ髪)を伸ばし、髷を高く盛りあげている。紳士は白絣風のきものに二重外套。絣風の柄であっても書生さんの木綿絣のはずはなく、高価な大島紬や結城紬に絣柄は多い。二重外套はこの挿絵のように、ときおりハネを後に刎ねて、着ているものを見せることができる。これも着こなしの藝のひとつか。履いているのは表付きでなく、柾目の通ったノメリの下駄。明治時代は上等の下駄といえばまず表付きだったが、だんだんと自然木の美しさが愛されるようになった。(大丸 弘)
ID No. D08-121
出典資料 報知新聞
発行年月日 1900(明治33)年12月22日号 1面
画家・撮影者 鈴木華邨(1860-1919)
小説のタイトル 日の出島:曙の巻 借切りの室
作者 村井弦斎(1863-1927)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード G70:[電車;汽車]
Jno:[乗り物の中]
D7ge:[芸者;半玉;舞妓]
D2so:[束髪(前期縦型の)]
Vko:[コート(女性和装外套)]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
Wme:[眼鏡]
D1hi:[ひげ]
Qkas:[絣]
Vwa:[男性和装外套]
Wge:[下駄;クロッグ]
Wki:[喫煙関連;タバコ;キセル]
時代区分・年代 19世紀終わり;1900(明治33)年
国名 日本
特定地域 兵庫;神戸
キーワード 一等列車;座席;紳士;中山高帽;八字髭;シャツの袖;飛白のきもの;[インバネス;トンビ;鳶(とんび);二重回し;二重廻し;二重外套;二重マント];のめり下駄;葉巻;灰皿;吾妻コート
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥
関連情報 D08-121, D08-122