近代日本の身装文化(身装画像)
説明 女の子を藁の上からもらって育て、これに遊芸を教えこみ、十四,五になったら芸者の下地っ子にするか、もう少し待って妾奉公にでも出す、というのは、この時代でもまだ、芸者上がりの女などにとってはいい商売だった。挿絵で、三味線を抱えて十二か十三くらいの稚児輪の女の子に厳しく踊りを仕込んでいるのは、そういう種類の女。下町にはいくぶんか淫蕩な気風があって、芸者姿や、芸者たちの派手な暮らしに憧れる気持ちもあり、おませな少女たちのなかには、自分から進んでそういう世界に飛び込もうとする者もいた。しかしこの物語のように少女がそれを嫌うような性格だと、義理の母親は養育の恩を言い立て、ときには暴力的といってもいいような仕打ちで、娘を窮地に追い込んだ。女の丸髷は四十代の女並みに小さく、しかし老婆というほどでもない。この時代でもまだ眉毛を剃っている女はけっこういたが、むしろ「眉毛の薄い女」というと、一種の性格づけができてきているように感じられる。座布団の上に垂れている帯は引っかけ結び。長火鉢のけっこうな木目といい、押入の襖紙、茶道具など、たぶんこの座敷でお稽古のお弟子を取っているのだろう。(大丸 弘)
ID No. D07-101
出典資料 報知新聞
発行年月日 1895(明治28)年5月8日号 1面
画家・撮影者 鈴木華邨(1860-1919)
小説のタイトル 御用商人 仕立屋〈呼で来い〉
作者 村井弦斎(1863-1927)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード Jke:[お稽古事;技能・遊芸の修行]
D003:[少女(ほぼ女学生の年頃(12~15,16歳))]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
D006:[初老の女性(40~50歳代)]
D2ma:[丸髷]
D1me:[眼・眉毛周辺の状態(眼・睫毛・眉の化粧)]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
時代区分・年代 19世紀終わり;1895(明治28)年
国名 日本
キーワード 切下げ前髪;簪;模様入りの竪縞のきもの;眉落とし;竪縞のきもの;引っ掛け結び;ひっかけ結び;三味線;座布団;押入れの襖紙;茶道具;長火鉢;障子
男女別 女性;女児
体の部分 全身;坐臥