近代日本の身装文化(身装画像)
説明 奈良駅のホームで駆込み乗車の娘を、駅員が制止しようとしている。娘の着ているのは「平生着(フダンギ)と覚しきお納戸の縞物の上に、駱駝毛の貴婦人用肩掛(ショール)を纏いたる、貧しき人の娘なりとは見えず」という姿。髪はこの時代の京大阪で若い娘に好まれた新蝶々。後ろ挿しの玉簪(タマカンザシ)のほか、前髪の根に大きな造花をつけているのが、本文中で「少女」と言っているのに似合っている。しかし黒塗りの小町風の下駄といい、厚く綿の入った、重ねのきものの裾の引き揚げ方といい、この娘が十五や十六の小娘でないことは察せられる。房付きの駱駝のショールは高価な舶来品。駅夫はホテルかレストランのボーイのように見えるが、発足当時の各地の民営鉄道の乗務員、駅夫のスタイルはさまざまだったろう。この時代の奈良・大阪(湊町)間が民営大阪鉄道として開通したのが、三年前の1892(明治25)年。(大丸 弘)
ID No. D07-007
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1895(明治28)年4月13日号 5面
画家・撮影者 歌川国峰(1861-1944)
小説のタイトル 結ばぬ縁(1)
作者 菊池幽芳(あきしく)(1870-1947)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード G3:[駅舎;空港]
D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
D2ni:[日本髪一般]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
Wku:[頸覆い(マフラー,ストール,襟巻,ショール)]
Wge:[下駄;クロッグ]
D4gy:[運転手;車掌;乗務員;操縦者;御者]
時代区分・年代 19世紀終わり;1895(明治28)年
国名 日本
特定地域 奈良;若草山
キーワード 奈良駅のプラットホーム;新蝶々髷;髪飾り;玉簪;造花;房付きのショール;竪縞のきもの;裾の袘(ふき);黒塗りの小町下駄;駅員;制服
男女別 男性;女性
体の部分 全身