近代日本の身装文化(身装画像)
説明 身代の良い造り酒屋の奥座敷。主夫婦の前に手を突いているのは、身を持ち崩して車夫をしているこの家の息子と、その嫁。間にいるのは、身投げをしようとした息子を諭して、ともかく今日まで面倒を見てきた車屋の親方。座布団に坐った父親は手あぶりの火箸に手を置いて、膝元には煙草盆。この絵では隠れているが、襟には首巻をしていて、目下の人間に会うときのくつろいだ姿。少し年の行った商人などが家にいるときはだいたいこういう恰好だった。もともとが武士の育ち、というのでなくても、かたい商人の家で育った男は、くつろいだときでもあぐらをかくという習慣はあまりなかった。年寄りが首巻をしているのは、この時代、裕福さを示すひとつのお約束。親方が手拭いをつかんでいるのは、堅気の商人とはちがう稼業の人間を示すお約束。本文では「昨日の姿に似げもなく晴着の上に羽織を重ね(……)」とあって、ふだんは半纏着の階級。羽織は画家の描き落としだろう。(大丸 弘)
ID No. D05-004
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1893(明治26)年2月25日号 3面
画家・撮影者 歌川国峰(1861-1944)
小説のタイトル 鬘草(かづらぐさ)(5)
作者 卍字楼主人
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H6:[和座敷一般]
D017:[男の老人]
Wta:[タオル;手拭い;手拭い被り]
D1me:[眼・眉毛周辺の状態(眼・睫毛・眉の化粧)]
Wki:[喫煙関連;タバコ;キセル]
時代区分・年代 19世紀終わり;1893(明治26)年
国名 日本
キーワード 造り酒屋;火鉢;煙草盆;眉落とし;襖(ふすま)
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥