近代日本の身装文化(身装画像)
説明 家も両親も失った十六歳の娘。いまは一時、親切な知人の家に厄介になっている。その家の妻が、一人息子の嫁になってくれないかときりだした。あなたを想っていてこの四,五日は食べ物さえ碌々に食べません、という。襖の陰で首尾を窺っているのがその息子。じつは娘の方も同じ思いだったので、袂で顔を覆っている。たぶん顔が真っ赤になっているのだろう。母親は黒襟付きの米印柄のきものに羽織をはおっている。娘のきものも黒襟が付いているが、厚い裾ぶきと襟元を見ると、綿入の三枚襲であるらしい。かたわらの行火以外に火の気のない家で、しかもなぜか窓まで開けてある。三枚襲は窮屈とか重いとかいわれはするが、猫の乗っている行火以外火の気のない真冬の日本座敷では、よほどの厚着が必要だろう。その行火も「安火(アンカ)を拵えて来ましたから横になってお当たんなさい」と母親が言っているように置炬燵(コタツ)で、来客のためのテンポラリーなサービスらしい。(大丸 弘)
ID No. D01-225
出典資料 やまと新聞
発行年月日 1890(明治23)年1月15日号 3面
画家・撮影者 水野年方(1866-1908)
小説のタイトル 姨捨山(32)
作者 冨田一郎(一筆庵主人)(生没年不詳)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D003:[少女(ほぼ女学生の年頃(12~15,16歳))]
D2yu:[結綿]
Qwa:[綿入れ;キルティング]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
D801:[強い悩み・悲しみ・口惜しさ・羞恥の表現]
D2ni:[日本髪一般]
D2ma:[丸髷]
Vka:[掛襟]
Vhao:[羽織]
Wki:[喫煙関連;タバコ;キセル]
Jhi:[人と動物;ペットと人]
時代区分・年代 19世紀後半;1890(明治23)年
国名 日本
キーワード 綿入れの三枚重ね;扇面模様の帯;お太鼓結び;帯揚げ;裾の袘(ふき);袂で顔を覆う;黒襟;小紋のきもの;煙草盆;茶器;襖(ふすま);行火掛け;猫;障子窓
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥