近代日本の身装文化(身装画像)
説明 たまたま、明治の下町風の帯(手前の女性)と、昭和和服に近い帯(奥の女性)との対比が見てとれる例。奥の女性のように、昭和和服風の高めの帯結びも、明治時代にすでにされていたということで、結び様のちがいは、その時代には身分や、人柄のちがいということだった。手前の、髪を荒っぽく達磨返し風に束ねている草履ばきの女の帯は、ごく低いところでザッと結んで、端を垂らしている。片袖を捲り上げて彫物を見せ、男を脅しているさまを見ても、堅気の人間には見えない。責められて閉口している男の向こうにいるのは「妻君と覚しき二十歳前後の中年増」ということで、立派な身なりという男に釣り合った奥様風。手前の女よりたぶん四、五寸も高く、胴中に締めた帯はお太鼓。帯も髷同様に、低くすると意気に見えるが、だらしなく、下品にも見える。近代の女帯の高さが上がったのは、下半身を長く見せたいという欲求と、上品な着付けが志向されたためだろう。腰骨のあたりに締めるのと比べて、腹部に締める帯は苦しく、また緩みやすいもの。ただし時代が下がっても、帯の高さには流行もあり、ひとの体型や好みもあるから、かならずしも一概にはいえない。(大丸 弘)
ID No. C24-006
出典資料 都新聞
発行年月日 1896(明治29)年8月7日号 3面
画家・撮影者 松本洗耳(1869-1906)
小説のタイトル 探偵実話 侠芸者(だてげいしゃ)(96)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
D2ni:[日本髪一般]
D005:[20~30歳代の女性;年増]
D0bo:[入墨;彫り物;ボディペインティング]
Vhao:[羽織]
時代区分・年代 19世紀終わり;1891(明治24)年
国名 日本
キーワード 達磨返し;だるま返し;入れ墨;黒襟;竪縞のきもの;引っ掛け結び;引っかけ結び;紋付き;お太鼓;中年増