近代日本の身装文化(身装画像)
説明 士族の商法で人力車夫にまで零落した挙げ句、脚気で身動きもならなくなった夫と、二人の幼児を養うため、盗みをはじめた妻。隣の部屋で横になっている夫の姿は枕屏風で隠れている。枕屏風はかなりの貧乏所帯にもあったもので、隙間風が襟元に入ってくるのを遮ったり、ものを引っ掛けておいたり、小さなプライヴァシーを守ったりと、欠かせないもの。極貧と言いながら二間もあるのは贅沢のようだが、これは絵柄のせいだろう。妻の頭は、洗い髪をただ捻ってまとめただけの達磨返し風。肩口に継ぎの当たった襟付きの縞のきものの胸を開いて、赤ん坊に乳を含ませている。この子は女の子だが、乳を飲んでいる間は坊主にして、そのあと少しずつあちこちの毛を残す。また乳幼児には、身動きできないほど厚着させる傾向が、江戸時代から続いていた。また、この日の本文の中に、銭湯で盗んできた帯を屑屋に売るというくだりがある。質屋と並んで屑屋は、この時代、庶民の重要な現金の供給源で、たいていのものなら引き取っていった。その様子は落語の「らくだ」でもよくわかる。(大丸 弘)
ID No. C16-076
出典資料 絵入自由新聞
発行年月日 1883(明治16)年4月21日号 2面,3面
画家・撮影者 二代目歌川芳宗(一松斎芳宗)(新井芳宗)(1863-1941)
小説のタイトル 知身雨(みをしるあめ)(1)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2ni:[日本髪一般]
Vka:[掛襟]
Ets:[つぎ;繕い]
D000:[乳児;赤ん坊]
D0yo:[授乳;乳幼児の世話]
時代区分・年代 19世紀後半;1883(明治16)年
国名 日本
キーワード 貧乏;火鉢;屏風;達磨返し;だるま返し;授乳
男女別 女性;女児
体の部分 全身;坐臥