近代日本の身装文化(身装画像)
説明 車の中に置き忘れた品物を届けにきた上、礼金を届けるとまたそれを返しに来た正直車屋に感心した大商人が、十九になる妹をその若者の嫁にやる、という話。挿絵はその嫁入り支度の一場面らしい。この時代の東京下町の、裕福な暮らしの人妻と娘の有様が描かれている。嫂が手に持っているのは火熨斗(ヒノシ)、つまり炭火を使ったアイロン。むこうの壁際には黒羽二重の紋服が畳んである。輿入に幾棹かの桐の箪笥に入れてもって来た晴着の大部分は、滅多にない身内の婚礼にでも着て出る以外は、むなしく納戸の中に睡っている。火熨しているのは裾模様らしいが、将来娘が嫁入りの時にでも着られるようにとの用意もあったそうだ。嫂も娘も縞か格子のきものに襟を掛け、同じように裾を曳いている。この時代、帯は人妻も娘もお太鼓風に背負ってしまわず、一般に垂余る部分のめだつ結び方で、娘の方が長く垂らす。(大丸 弘)
ID No. C12-021
出典資料 東京絵入新聞
発行年月日 1879(明治12)年3月6日号 2面
小説のタイトル 正直な車夫の噺昨日の続
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
D005:[20~30歳代の女性;年増]
D1me:[眼・眉毛周辺の状態(眼・睫毛・眉の化粧)]
Vka:[掛襟]
Wmae:[前掛;エプロン;割烹着]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
D3hi:[曳裾]
Eai:[アイロンがけ;火熨斗]
時代区分・年代 19世紀後半;1879(明治12)年
国名 日本
特定地域 東京
キーワード 下町;眉落とし;黒襟;前垂れ;曳き裾;黒羽二重の紋服
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥