近代日本の身装文化(身装画像)
説明 吉屋信子の評判作品。人気を獲得したのは、妻に対する心遣いをまったくと言ってよいほど欠いた良人の丹念な描写が、満天下の女性読者の共感を得たのか。この挿絵では茶の間で朝食の用意をする妻の背中と、隣室の洋服箪笥の前で、出かける支度をしている良人の脚だけを鳥瞰的に描いて、意を尽くしている。洋服箪笥の鏡に向かってネクタイを結んでいる良人。その隣は妻の邦子の箪笥、と言っているが和箪笥だろう。洋服箪笥の普及しはじめたのは東京でも震災後で、それ以前は洋服でも吊して保存する、という習慣はなかった。麻の夏ズボンをめぐる夫婦のやりとりの内容から察すれば、いま使っている洋服は洋服箪笥の中に吊しておき、季節外のものはナフタリンを入れた箱に入れて、押し入れにしまう、というのがこの家の整理法であるらしい。たいていの衣装箱はズボンをそのまま入れるには長さが足りないから、少なくとも一カ所で折り曲げなければならない。良人が、「むやみと小さく畳んじゃ駄目じゃないか」と叱っているが、そういうことよりも、なにを着ようという、良人が考えている自分の服装計画と、妻の方の都合との食いちがいが問題。(大丸 弘)
ID No. B13-057
出典資料 東京日日新聞
発行年月日 1936(昭和11)年10月6日号 7面
画家・撮影者 小林秀恒(1908-1942)
小説のタイトル 良人の貞操(1):朝餉の妻(1)
作者 吉屋信子(1896-1973)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H0:[視線の方向;特殊な視点]
D3ut:[打合せ;襟あき;ぬき襟]
Wmae:[前掛;エプロン;割烹着]
Wkus:[靴下]
時代区分・年代 20世紀前半;1936(昭和11)年
国名 日本
キーワード ワイシャツ(一部);ホワイトシャツ(一部)
男女別 男性;女性
体の部分 全身;下半身;坐臥