近代日本の身装文化(身装画像)
説明 横浜のチャブヤ女で、ユダヤ人と日本人の混血少女。十五六位の、子どもっぽい小柄な女、としている。客の伯爵のすぐそばに座ったが、べつに話をするでもなく、「うそ寒そうに孔雀の羽の一杯附いたメリンスのきものの両袖を胸のところで掻き合わせている」という。横浜本牧地区に十数件あった卓袱屋(チャブヤ)は、もともと外国船の船員相手の娼館。相手が外国船員であるため、日本娘を強調する奇妙なエキゾチシズムがあり、一時期は東京からも物好きな日本の客を多く集めていた。メリンスのきものはもともと安物でけばけばしい柄が多いのだが、チャブヤの洋妾(ラシャメン)たちは、さらにそのケバケバしさを強調するようなものを選んだにちがいない。ここに出てくる少女のように、外国人の落とし種も少なくなかったろうが、それはそれで日本人の客に喜ばれて、生きてゆくうえで困ることはなかったようだ。ラシャメンたちのきものは独特な仕立てで、縫い込みがなく、とくに襟はやわらかいくるみ縫いにしてあるだけだったから、着慣れると、もうふつうの和服は重くて着られなかったと言う。この仕立て方は現在でも、香港など東南アジア製のキモノに引き継がれている。(大丸 弘)
ID No. B01-072
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1924(大正13)年5月15日号 5面
画家・撮影者 幡恒春(1883-1944)
小説のタイトル 魔笛(133):魔女の群(3)
作者 吉井勇(1886-1960)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7se:[西洋人モデル;混血児タイプ]
D2yo:[洋髪;ウエーブ]
Wou:[扇子;団扇;扇風機]
時代区分・年代 20世紀前半;1924(大正13)年
国名 日本
特定地域 神奈川;横浜
キーワード 卓袱屋(ちゃぶや);洋妾;ラシャメン;娼婦;くるみ縫いの襟;扇子
男女別 女性
体の部分 全身;上半身