近代日本の身装文化(身装画像)
説明 犬猫病院を訪れる風変わりな人々を描写している。獣医学の対象はどこの国でも、馬を主にした大形荷役獣や食用家畜が中心だったから、都会人の愛玩用の犬や猫の治療はそれ自体で滑稽感を持たれていたのかもしれない。愛犬を乳母車に乗せて必死に押している十六,七の令嬢は、九重巻の束髪とあるが、横に大きく広がった廂(庇)(ヒサシ)に隠れて、その名のある特色はわからない。御召のコートの肩口にショールを巻きつけ、黒い手袋には真珠が光っている。明治期に広く着用されていた被布は、両胸の房や小襟のようないわば無用の装飾部分をもっていて、それらを取り去ったのが吾妻コートやそれ以後の女性コート、とも言えるだろう。だから初期の吾妻コートが、羅紗地など防寒防雨のための生地を用いていたのに対して、単にコートと言っており、もうこの時期になると、使用する生地については、きものや羽織や被布となんの違いもなくなっている。(大丸 弘)
ID No. A12-032
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1912(明治45)年2月14日号 7面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
小説のタイトル 脱線(1)
作者 江見水蔭(怒濤庵)(1869-1934)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D003:[少女(ほぼ女学生の年頃(12~15,16歳))]
D2hi:[束髪(庇髪など、後期平型の)]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
Vko:[コート(女性和装外套)]
Wku:[頸覆い(マフラー,ストール,襟巻,ショール)]
Wte:[手袋;手甲;腕覆い]
Jhi:[人と動物;ペットと人]
時代区分・年代 20世紀前半;1912(明治45)年
国名 日本
キーワード 九重巻;リボン;御召のコート;乳母車;犬;膝掛け
男女別 女性
体の部分 上半身