近代日本の身装文化(身装画像)
説明 看板を見誤り、獣医のもとに脳病の診察を乞いに訪れた活動弁士。「亀裂を生じている山高帽を頂き、霜降りの解け掛かったインバネスを羽織って蕨手の洋杖(ステッキ)を突いている」四十過ぎの男。インバネス、すなわち二重外套の下は「頗(スコブ)る旧式のフロックコート。垢染めのハイカラには驚かれる」とある。フロックコートと山高帽はこの活弁の舞台衣裳だろう。山高帽の庇(ヒサシ)が麦藁帽のように広いのがこのころの流行。蕨手(ワラビデ)とはクエッションマークのような曲線をいう。蕨の新芽の形に似ているので、文様名としては古くから蕨手と呼んできた。洋傘の柄はだいたいこの形。山高帽にフロックコートというと立派らしいが、古着が一般庶民の衣料で、また洋服でも和服でもクリーニングを現代ほどしなかったこの頃は、たしかに「垢染めのハイカラ」が横行していたろう。(大丸 弘)
ID No. A12-033
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1912(明治45)年3月15日号 7面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
小説のタイトル 脱線(31)
作者 江見水蔭(怒濤庵)(1869-1934)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D016:[中年~初老の男性]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
D1hi:[ひげ]
Vwa:[男性和装外套]
D6se:[洋装;西洋化;西洋観;ハイカラ;西洋かぶれ;開化ぶり;西洋憧憬]
Wtu:[杖;ステッキ;松葉杖]
時代区分・年代 20世紀前半;1912(明治45)年
国名 日本
キーワード 活動弁士;山高帽子;口髭;[インバネス;トンビ;鳶(とんび);二重回し;二重廻し;二重外套;二重マント];フロックコートの袖;ワイシャツ;ホワイトシャツ;蕨手の洋杖
男女別 男性
体の部分 上半身