近代日本の身装文化(身装画像)
説明 この作品は田口掬亭の前作『伯爵夫人』を承けてのものなので、発端のこの回では前作に続く主要キャラクターの紹介。この女性は常陸国大洗のある旅館の娘として生まれたヒロインで、「稀なる美貌」で才色兼備、かつ栄達に憧れ虚栄に満ちたヒロイン。この旅館に養われていた、主人の亡友の忘れ形見の青年と将来を約束していたのだが、人一倍の虚栄心からより栄達を求めて、東京の某伯爵に近づこうとしている。『金色夜叉』に共通する点もあるが、「虚栄を求める欲望は恋の欲に打ち勝った」などというように、女性としてはめずらしい社会的地位への渇望、という点がダイヤモンドの光に眼のくらんだお宮さんと違う。その「稀なる美貌」がこの姿。この時期の束髪は周囲がドーナツ型に拡がり、髷は相対的に目立たなくなるが、そのかなり高く突出したものがいわゆる二百三高地。手先を袖にくるんで踊りの手のように軽く胸に当てるのは、若い女性のよくやるコケットリー。連載第1回の挿絵のそのヒロイン紹介は我々には良い参考になるが、画家は骨が折れるだろう。しかも作者の田口掬汀は文士仲間でも衣裳通で知られていた。昭和初期の『風俗画大成』の現代篇の解説は、鏑木清方と掬汀が分担して執筆している。(大丸 弘)
ID No. A10-001
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1910(明治43)年1月1日号 9面
画家・撮影者 山本英春(生没年不詳)
小説のタイトル 外相夫人(1)(発端)(上)
作者 田口掬汀(1875-1943)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7sh:[小説のヒロイン;挿絵美人(この年の評判小説中の美人)]
D2hi:[束髪(庇髪など、後期平型の)]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
D5re:[フォーマルウエア;礼装;お祝い着]
D80:[姿勢;ポーズ(特異な姿勢・ポーズ・格好一般)]
時代区分・年代 20世紀初め;1910(明治43)年
国名 日本
キーワード 二百三高地髷;お太鼓結び;袖の扱い;胸に手を当てる;鏡餅
男女別 女性
体の部分 全身;上半身