近代日本の身装文化(身装画像)
説明 末期の清朝と日本をめぐる大仕掛けなロマンの冒頭。「軽いアルパカの旅行服に、本パナマの前廂(庇)(ヒサシ)を垂らして、手には膝掛と中形の革鞄(カバン)を持っている」という衣裳付けに忠実な挿絵。南米パナマ産のパナマ帽はこの頃世界的に人気が高まり、かなり高価になっていたから、台湾やフィリピン産が多かった。パナマには独特の薄黄色い色があり、それだけで紳士らしさを示せた。この文章では鞄を革鞄と書いている。革製の舶来の物入れを革包と表現したのは1870~1880年代のことだったから、この時代ではやや古めかしい言い方。同伴の女性のための、車中の膝掛を手に持っているのは外国生活の経験をもつ紳士らしい。連れ立っているヒロインの女性は上海育ちの中国人で、同時代の欧米のファッションそのまま。欧州大戦後には日本女性の洋装がにわかに話題になったが、それに対してこの時期の日本女性が洋装と縁がなかったのは、同時代の欧米の、こうしたスタイルを見ればむりもなかったと、だれしも納得するだろう。(大丸 弘)
ID No. A09-037
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1909(明治42)年3月27日号 7面
小説のタイトル 迷獅子(3)
作者 角兵衛
資料タイプ 挿絵
身装画像コード G3:[駅舎;空港]
D5ry:[旅装;旅姿;旅装束]
D6se:[洋装;西洋化;西洋観;ハイカラ;西洋かぶれ;開化ぶり;西洋憧憬]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
Wme:[眼鏡]
Wne:[ネクタイ;ネックバンド]
Wka:[鞄]
Wtu:[杖;ステッキ;松葉杖]
時代区分・年代 20世紀初め;1909(明治42)年
国名 日本
キーワード 紳士;旅行服;パナマ帽;チョッキ;ジャケット;膝掛け;革かばん
男女別 男性;女性
体の部分 全身;上半身;群像