| 説明 | 関西の実業家の一人娘で、この時代としても古風な家風のもとに生い育った、まだ二十歳前の娘。第1回,第2回は大阪から京都までの汽車の車中。第12回はある園遊会。第22回は東京に住む危篤の叔父のもとに駆けつけるため、大阪駅で父親の指示を承っているところ。9月1日という残暑の日の、近距離の外出では、「浅黄地に白い絣の処々に入った絽の帷子、鼠地に牡丹の浮模様ある漣織の帯(……)」、関西では東京とちがって、盛夏には帷子を着る習慣が続いていた。園遊会では黒の裾模様、そして夏の旅装は「いつも旅行するときに着る綾織御召の単もの」に、薄いセル地の外套とある。夏の外套とはおそらく塵除けのコートだろう。その三つの場面で目立つのは、この令嬢の島田の髷の高さ。彼女はとりわけ美しい髪の持ち主であるらしく、「女の髪の美しいのを濡鴉(ヌレガラス)というが、是はそれ以上に艶のあるのを、庇髪(ヒサシガミ)でもあるまいというので、古風な高髷に結っている」と、その高髷の詳しい描写がつづく。べつのところで作者は、「さしずめ庇髪であるところを品の好い高髷に結った」という言い方もする。高髷――高島田自体が古風、ということと、嫁入りでもないのにこの高さが、もうこの時代では人目を惹くにちがいない。(大丸 弘) |
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| ID No. | A07-100 |
| 出典資料 | 報知新聞 |
| 発行年月日 | 1907(明治40)年11月8日号 8面 |
| 小説のタイトル | 寒牡丹(22) |
| 作者 | 渡辺霞亭(黒法師)(緑園)(朝霞隠士)(無名氏)(匿名氏)(1864-1926) |
| 資料タイプ | 挿絵 |
| 身装画像コード | G3:[駅舎;空港] D016:[中年~初老の男性] D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。] D7re:[令嬢モデル] D2sim:[島田;高島田] Vko:[コート(女性和装外套)] Wbo:[かぶり物一般;帽子] D1hi:[ひげ] Vhao:[羽織] Wkas:[傘] |
| 時代区分・年代 | 20世紀初め;1907(明治40)年 |
| 国名 | 日本 |
| 特定地域 | 大阪 |
| キーワード | 山高帽子;黒紋付き羽織;羽織紐;八字髭;セル地の外套;塵除けのコート |
| 男女別 | 男性;女性 |
| 体の部分 | 全身 |
| 関連情報 | A07-096, A07-097, A07-099, A07-100 |