| 説明 | 東京のこの時代では郊外、大森村の素封家の一人娘、年内には許婚との婚礼が待っている二十歳の娘、初夏の昼下がり、針仕事の手を休めて新聞を広げている。縫いかけているのは紺絣の単物で、幼いときから一緒に住んでいる許婚のものだろう。男物のふだん着は年齢にかかわらず絣木綿が多いが、とくに若い男には夏も冬も絣が好まれた。娘の着ているのはおそらく銘仙。家での常着に銘仙を着るのは中以上の暮らし。しかしこの時代までの銘仙の多くは、一口に銘仙柄といわれるような、地味で代わり映えのない縞柄だった。頭は唐人髷らしい。娘は人に見られたくない本をかたわらの針箱の小抽斗(ヒキダシ)に隠している。主婦の物の隠し場所は長火鉢の小抽斗がふつうだが、この娘にとっては針箱が、いちばん身辺から離れない小道具なのだろう。その針箱や針山の大きさ、仕立屋並みの裁ち台など、どれも貧乏人の家のものとはちがう立派なもの。(大丸 弘) |
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| ID No. | A07-055 |
| 出典資料 | 都新聞 |
| 発行年月日 | 1907(明治40)年6月9日号 1面 |
| 画家・撮影者 | 井川洗厓(1876-1961) |
| 小説のタイトル | いひなづけ(はしがき) |
| 作者 | 橋本十駕(生没年不詳) |
| 資料タイプ | 挿絵 |
| 身装画像コード | D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。] D2ni:[日本髪一般] Qkas:[絣] D3ob:[帯の締め方;帯の位置] Esa:[裁縫;裁縫実習;裁縫用具;ミシン] |
| 時代区分・年代 | 20世紀初め;1907(明治40)年 |
| 国名 | 日本 |
| 特定地域 | 東京 |
| キーワード | 個室;襖(ふすま);針仕事;裁ち台;裁縫箱;針山;糸切り鋏(はさみ);篦(へら);物差し;新聞;唐人髷;紺飛白のきもの;銘仙;お太鼓結び |
| 男女別 | 女性 |
| 体の部分 | 全身;坐臥 |