近代日本の身装文化(身装画像)
説明 物語は浅草の銘酒屋ではじまる。銘酒屋はその名の通り各地の銘酒を飲ませる簡易酒場だが、文化史の上では私娼窟ということになっている。本編でも冒頭に、「夜目遠目傘の内を命とする稀代の美人、声を限りに客の名を呼び居れる」とあって、こういうところに美しい女などは滅多にいることはないにしても、ともかく若い女の色気で客を呼んでいたらしい。椅子と丸テーブルというハイカラな店内だが、その奥には、長火鉢をかたわらの女将が控える畳の部屋があるという、新旧混交の店構え。女将の頭は第2回でわかるように古風な達磨返しか、毛だるま風。前髪、鬢(ビン=横髪)、髱(タボ=後ろ髪)はふつうに取って、髷はつくらず残りの毛は捻っている。黒襟付ききものの前を帯の辺りまで開いているとか、帯を折り返して締めているとか、下町風といってもごく野卑な恰好だが、眉を剃って目鼻が小さく書いてある挿絵の顔であると、やさしげに見える。(大丸 弘)
ID No. A01-084
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1901(明治34)年11月7日号 7面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
小説のタイトル 吉文字(1)
作者 渡辺霞亭(黒法師)(緑園)(朝霞隠士)(無名氏)(匿名氏)(1864-1926)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2ni:[日本髪一般]
D1me:[眼・眉毛周辺の状態(眼・睫毛・眉の化粧)]
Vka:[掛襟]
時代区分・年代 20世紀初め;1901(明治34)年
国名 日本
特定地域 東京;浅草
キーワード 私娼窟;達磨返し;だるま返し;眉落とし;黒襟;袷;双子織;着流し;畳の部屋;長火鉢;薬缶(やかん);丸テーブル;テーブルクロス;椅子
男女別 男性;女性
体の部分 全身;上半身;坐臥
関連情報 A01-084, A01-085