近代日本の身装文化(身装画像)
説明 大勢の職人を使って町工場を経営している家の六十近い後添いの女房。父親の気に入らない男と一緒になって貧乏暮らしをしている娘が、相談事があって久しぶりに訪れた。茶の間というものがあるくらいの暮らしの家には、たとえ安物でも長火鉢があった時代、この家の長火鉢は画家が丹念に木目を描いている上等な桐胴もの。主婦の背後の作り付けの茶箪笥も物々しい。五十代の母親が小ぶりな、それでも結構形のよい丸髷を結っているのに対し、娘の方は自分でいい加減にまとめて棒のような簪(カンザシ)に巻きつけた、裏店風のつくね髪。だらしなくまとったきものにも半纏にも黒襟が掛かり、それに親子縞の前垂れ掛け。眉を剃っているのがこの時代としてはずいぶん古風だが、その日暮らしの人々は新しい風などに関心を持つゆとりがなく、なにごとも従来風がいつまでも温存されてゆく。(大丸 弘)
ID No. A01-036
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1901(明治34)年2月11日号 7面
小説のタイトル わか竹(10)
作者 三品藺渓(1857-1937)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D006:[初老の女性(40~50歳代)]
D2ni:[日本髪一般]
D2ma:[丸髷]
D1me:[眼・眉毛周辺の状態(眼・睫毛・眉の化粧)]
Vka:[掛襟]
時代区分・年代 20世紀初め;1901(明治34)年
国名 日本
キーワード 眉落とし;格子のきものと丹前;黒襟;座布団;長火鉢;薬缶(やかん);茶箪笥(ちゃだんす)
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥