日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05331-A05
題名 馬子どんと山姥
題名(ヨミ) マゴドントヤマウバ
時間 7分34秒
話者 :1889年生
収録地 鳥取県東伯郡東伯町
収録者 稲田浩二
OWC AB41
日本昔話タイプ 【IT352;馬子と山姥】
話形分類 TA. 牛方山姥;ME. 牛方山姥
概要 昔、馬子が鯖を馬に負わせて峠を通ったとき、山ン婆が一つわたせという。津山の殿さんにもっていくのだから、といって断ったが、一つだけなげてやるとすぐにたべてしまった。もっと渡さねば馬をおまえもたべてしまう。馬子は身一つで山にかけこみ、小屋にたどりつき、あまだの中でねこんだ。そこへ山ン婆がああ腹太や、と帰ってくる。お茶をわかし、餅をやき始めた。しょうゆをとりにいっている間に馬子は餅をとって食った。山婆はねずみのせいだと思いこんだ。次にまたもちをとりにいく間に馬子はしょうゆをこぼしてしまった。山婆はあきらめてねようとした。「へやにねようか、表にねようか、いってあまだにねようか」というと、馬子は山婆の上ってくる綱を切った。山婆はおちたが、またねずみのせいだと思い、釜の中でねた。馬子は釜にふたをし、カチンカチンと火をたきつけるとカチカチ鳥だと思い、ボウッと火をつけるとボウボウ鳥だと思った。熱くなってはじめて気付き、やけ死んだ。死ぬ前にいいのこした金のありかをさがし、家にもどった。近所の子供にも金をくばってやった。