日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05306-A05
題名 見るなの座敷
題名(ヨミ) ミルナノザシキ
時間 8分2秒
話者 :1899年生
収録年月日 1967-08-10
収録地 大阪府大阪市北区
収録者 稲田浩二
笠井典子
OWC AB37
日本昔話タイプ 変形【IT86;鴬の浄土】
話形分類 TA. 見るなの座敷;ME. 見るなの座敷
概要 昔ある所におじいさんとおばあさんがいた。おじいさんはたきぎを作って町に売りに来る。山でたきぎをとっていた時、鶯がよい声で鳴く。こんなよい声で鳴くのだからたきぎとりのわるい音をさすのはかわいそうだといって、その日はそれで仕事をやめて帰る。おばあさんにわけをはなすと、そうですかと納得した。翌朝早く起きて、またたきぎをとりにいく。大きな木をきろうとすると、美しい娘が出てきて、住みかがなくなるのでやめてくれと頼む、頼んだとたん娘は姿を消す。ふしぎに思ったが、木をきってはいけないと考え、家に帰る。わけを話しておばあさんを納得させる。翌日娘は木をきらなかったお礼に、おじいさんをやしきに案内する。立派なやしきで、座敷も立派である。この座敷は私のへやで、それぞれのへやをあけると春夏秋冬のけしきがみられる。しかし、一部屋、ここだけはあけるな、と注意された。がまんしてあけずに娘のかいものにいった帰りを待っていると、おみやげにしゃもじをくれる。ごはんにせよ、おかずにせよ、たべたいものを口にだしながらまぜると、思い通りに出てくるものだ。おばあさんと二人でためしてみて、ちゃんと食事が出てくるので喜んでいた。隣りのおじいさんとおばあさんがききつけ、山に行って娘を待ったが来ない。最初の時の情況をききだし、木をきるまねをすると案の定、娘が出てきてやしきに案内してくれる。娘は同じ様に見てはいけない座敷の注意をし、買い物にでかける。となりのじいさんは見たいという欲望に勝てず、へやをあけた。するとさかさまになって気を失い、気がつくと山の中でぺたんとしとった。