近代日本の身装文化(身装画像)
説明 士族の出だが早くに父親を亡くし、仕立職人となって大勢の下職を使っている男。近所のお得意のところから小僧が来て主人が呼んでいるという。小僧はまだ子どもだから頭はぼうぼうのざんぎりだが、長い袂の縞のきもの、安物でも角帯を男結びにしているのは、一人前の御店者(オタナモノ)の恰好。裁縫所の障子の一部分にはガラスが嵌って、中の人にも外の人にも便利になった。これはちょうどこの時期――1890年代(ほぼ明治20年代)後半の建築上の、正確にいえば建具史の上での大きなイノベーション。しかし外部の光線をとるための硝子窓はまだ一般化していなかったから、外の人に紙障子を破られないための足もとの柵が設けてある。看板をあげて仕立物をしている家はどこの町でもずいぶんあったが、娘たちの裁縫指南を兼ねているところが多かった。そういう家では若い男が中を覗いたりその辺りをうろついたりするものだが、この店は男職人ばかりのもうすこし格上の工房のようだ。(大丸 弘)
ID No. N95-002
出典資料 報知新聞
発行年月日 1895(明治28)年5月9日号 1面
小説のタイトル 御用商人:誰が強い〈江戸子か〉
作者 村井弦斎(1863-1927)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H59:[出入り口・窓越しの外の風景]
D2ot:[男の髪型]
Vob:[帯]
Jhi:[人と動物;ペットと人]
時代区分・年代 19世紀終わり;1895(明治28)年
国名 日本
キーワード 仕立屋;和服裁縫所;柵;障子;ガラス;斬髪;散切り;竪縞のきもの;角帯;犬
男女別 男性;男児
体の部分 全身