近代日本の身装文化(身装画像)
説明 道端に倒れていた見知らぬ女を家に連れ帰って介抱し、正気を取り戻した女から事情を聴いている令嬢。お嬢さまの髪は流行の上巻(アゲマキ)の束髪。前髪を剪り揃えているためにちょっと見ると髷が横についているようにみえるが、ついているのは後頭部。女性の髪で左右が非対称というのは1910年代まであらわれない。もっとも素人の結った髪なら左右びっこのものはめずらしくないが。その髷には大きな造花が挿されている。束髪はそれまでの大きな日本髪を見馴れた人の目にはやや淋しく見えるため、二枚櫛、三枚櫛がふつうであり、また年齢によっては大きいリボンや、造花を飾る。そのため造花づくりは女性の手芸として人気があり、女子職業学校(→共立女子大)のような専門学校でもこの時代には造花コースを設けていた。中央の男は七三分けで、毛がいくぶんカールしているが、これはいわゆる癖ッ毛で生まれつきのものだろう。助けられた乞食同然、という女の髪はうしろでただ適当に括っているだけだが、前髪はお嬢さんとすこしちがったやり方で剪っている。風俗史などではほとんど言われることはないが、幕末から1890年代にかけて、前髪を剪ることは上下を通じで流行っていた。この女の帯は雑なひっかけ結び。(大丸 弘)
ID No. N88-001
出典資料 朝日新聞
発行年月日 1888(明治21)年7月13日号 2面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
タイトル
小説のタイトル 涙(14)
作者 斎藤緑雨(江東みどり)(緑雨醒客)(1867-1904)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H6:[和座敷一般]
H000:[照明;照明具(一般)]
D7re:[令嬢モデル]
D2so:[束髪(前期縦型の)]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
時代区分・年代 19世紀後半;1888(明治21)年
特定通称名
国名 日本
特定地域
キーワード 障子;廊下;ランプ;ランプ台;お茶の道具;上げ巻;造花;切下げ前髪;引っ掛け結び;ひっかけ結び;竪縞のきもの;総柄のきもの
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥
関連情報
著作権情報
備考