近代日本の身装文化(身装画像)
説明 遊び慣れた三人の紳士が新吉原の花魁(オイラン)の品定めをするという趣向。いわゆる見立てのひとつで、名代の花魁十人を選び、梅、海棠(カイドウ)、牡丹など十種の花になぞらえている。描かれているのは稲弁楼という小店の花魁勝山、姿の楚々たるところ、容貌の賢そうなところが西洋婦人の趣あり、当世の談、開明の話を好んですることから薔薇に比す、とある。バラは品種が多く、なかには日本原産のものもあって、近代以前の文芸作品にも現れているが、しかしバラといえば西洋から入った花、という印象が持たれているようだ。それにしてもこの絵姿を、現代人がバラの花のイメージと結びつけるのはむずかしい。筆法にしても、描いた対象のせいにもよるだろうが、すべての点で幕末の浮世絵といっても疑われかねないような図柄。この花魁はきものの襟を、顎を突き上げるように着た上に、幅の広い掛け襟のある二枚の褂(ウチカケ)、つまり「しかけ」を重ねている。人身解放令以後、廓(クルワ)の遊女にはかなりの勝手が認められるようになってもいるけれど、この、バラに比せられた花魁にはなんの新しさもない。(大丸 弘)
ID No. N87-003
出典資料 東京絵入新聞
発行年月日 1887(明治20)年5月8日号 3面
小説のタイトル 当世美人くらべ(3)
作者 天橋漁夫;古川魁蕾子(古川魁蕾士)(古川魁蕾史)(古川精一)(鬼斗生)(斗鬼生)(1854−1908)[閲]
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
Vuc:[打掛]
Vka:[掛襟]
Vob:[帯]
時代区分・年代 19世紀後半;1887(明治20)年
国名 日本
キーワード 花魁(おいらん);娼妓;遊女;女郎;裲襠(うちかけ);幅広の掛け襟;前帯
男女別 女性
体の部分 全身