近代日本の身装文化(身装画像)
説明 船宿の女房が起き抜けの恰好で歯を磨いている。「寝巻の上へお召縮緬のねんねこ半纏を一寸と引掛け房楊枝をくわえたまま(……)」、芸者上がりの女だけに歯磨きを欠かさないのだろう。江戸時代から、細い竹の先をささらのようにした房楊枝を使っての歯磨きの習慣はあり、歯磨粉としての房州砂も有名。しかし毎朝歯を磨く女が少なかったのは、長い間のお歯黒の習慣のせいもあろう。明治に入ると新しい歯磨粉が売られるようになって、東京では仲町の小間物屋「たしがらや」で売っている品と、岸田の花王散が、上等のざらつかない製品だったと、練歯磨が入ってくる以前のちょうどこの時分の様子を、森鴎外は『雁』のなかに書いている。本文では寝巻の上にねんねこ半纏を重ねているように書いているが、挿絵でねんねこの下に着ているのは厚い袘(フキ)のある袷のきもので、寝巻のようには見えない。(大丸 弘)
ID No. N84-005
出典資料 絵入自由新聞
発行年月日 1884(明治17)年1月17日号 2面
小説のタイトル 枯野の田鶴(30)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D1me:[眼・眉毛周辺の状態(眼・睫毛・眉の化粧)]
Vhat:[半天;どてら]
Vka:[掛襟]
Wta:[タオル;手拭い;手拭い被り]
D0se:[清潔一般・衛生;歯磨き,石けん]
Vmom:[股引]
Wzo:[草履;草鞋]
時代区分・年代 19世紀後半;1884(明治17)年
国名 日本
キーワード 上り框(あがりかまち);歯磨き;眉落とし;竪縞のきもの;ねんねこ半纏;黒襟;豆絞りの手ぬぐい;肩に手ぬぐいを載せる;袖なし短かきもの;わらじ;神棚;房楊枝;魚
男女別 男性;女性
体の部分 全身