近代日本の身装文化(身装画像)
説明 神奈川県浦賀の三十になる小間物屋が同じ町の三十八の後家さんと割ない中になり、料理屋の奥座敷にしけ込んだのを知った女房が、憎いあの女の面に疵でもつけてやると、剃刀を口にくわえて立つおそろしい姿。女はすこし幅の狭い黒繻子の帯を前で結び、着ているのは夏のことで中形の浴衣か。記事によると女房は、外で偶然夫が女を連れ込むのを見て、剃刀を取りに家にとんで帰り、剃刀を口にくわえて帯を引き締め店の奥に入った――という。とすると、女のうしろの障子に萬小間物と書いてあるのは、この女の素性を読者に示すための結構で、ほんとうはここは料理屋の門口でなければならない。これから一暴れ、という場合であると、後ろ手で帯をしめるよりも、前でぐっと結ぶ、という方がちょうど向こう鉢巻きのように気分が乗るようだ。女の髪はじれった結びで、前を散らしているのは、庶民の女房の構わない恰好。相州浦賀などという田舎なら、この時代人妻がまだ眉を剃っているのがふつうだったろう。(大丸 弘)
ID No. N80-004
出典資料 東京絵入新聞
発行年月日 1880(明治13)年9月10日号 3面
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D005:[20~30歳代の女性;年増]
D2:[ヘアスタイル]
D1me:[眼・眉毛周辺の状態(眼・睫毛・眉の化粧)]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
時代区分・年代 19世紀後半;1880(明治13)年
国名 日本
特定地域 神奈川;浦賀;
キーワード 眉落とし;じれった結び;前結び;剃刀(かみそり)
男女別 女性
体の部分 全身