| 説明 | 〈遡及資料〉外は吹雪の昼下がり、若い芸者がひとり、炬燵(コタツ)で新聞を読んではわが身の不幸せをかこっているところへ、不意に案内もなく別れた男が襖を開けて入ってくる、というシーン。この時代、まだ掘り炬燵はなかったから、女が足を入れているのは置き炬燵。部屋のなかはけっこう寒いらしく、小紋の重ね小袖の上に羽織を着、締めているのは半幅帯のよう。髪は崩れているが芸者の頭はたぶん潰し島田。一方、男の方は、「猟虎(ラッコ)の襟も艶やかなる玉羅紗の外套を着流し」とある。外套の襟がひどく高いのはこの時代までの欧米の流行で、日本ではかなり時代の下がった『金色夜叉』のなかにも、「獺(カワウソ)の襟皮の内に耳より深く面を埋めたり」という記述がある。襟に猟虎、川獺(カワウソ)、兎などの毛を貼り付けるのを襟皮と呼んだ。(大丸 弘) |
|---|---|
| ID No. | N75-005 |
| 出典資料 | 都新聞 |
| 発行年月日 | 1900(明治33)年6月27日号 3面 |
| 画家・撮影者 | 松本洗耳(1869-1906) |
| 小説のタイトル | 実譚 江戸さくら(88) |
| 作者 | 渡辺黙禅(1870-1945) |
| 資料タイプ | 挿絵 |
| 身装画像コード | H311:[私室;小部屋(寝具のないこと);ブドワール] D7ge:[芸者;半玉;舞妓] Vhao:[羽織] Vob:[帯] D2sim:[島田;高島田] Pov:[オーバーコート(外套)] D6se:[洋装;西洋化;西洋観;ハイカラ;西洋かぶれ;開化ぶり;西洋憧憬] |
| 時代区分・年代 | 19世紀後半;1875(明治8)年 |
| 国名 | 日本 |
| 特定地域 | 東京 |
| キーワード | 炬燵(こたつ);三味線;箪笥(たんす);潰し島田;つぶし島田;半幅帯;襟皮 |
| 男女別 | 男性;女性 |
| 体の部分 | 全身;坐臥 |