近代日本の身装文化(身装画像)
説明 〈遡及資料〉この挿話が[今日新聞]に連載された1885(明治18)年からは十三年の昔になるが、いわゆる〈娼妓解放令〉が公布された1872(明治5)年の吉原。花魁(オイラン)たちが身寄り親類のもとに引き渡されるということで、かねてなじみの男がもうすっかり堅気の女房に装った花魁の手を引いて廓をあとにする。男はそこそこの身代をもつ堅気の商人だから縞物ずくめでのめりの駒下駄。女は黒繻子の帯の下に褄を引きあげて挟んだ素人風の拵え。ほかに芸者風の女たちや、荷物運びの手伝いらしい男女。門口では大きな帳簿を拡げて昨日までの朋輩を見送る店の若い衆。それとならんで天水を背にしているのは邏卒(ラソツ)。邏卒、番人のこの笠が制定されたのは〈娼妓解放令〉とほぼ同時期だった(→年表〈事件〉1872年10月 「警保寮職制ならびに東京番人規則公布」太政官付録 第17号 1872年10月9日)。この特色ある笠はまもなく廃止されたので、挿絵の尾形月耕はその辺を忠実に描いていることになる。三人の女たちが、廓内で履く重ね草履のようなぶ厚い草履を履いているのも、尾形月耕の画歴から見て信用すべきなのだろう。(大丸 弘)
ID No. N72-006
出典資料 今日新聞
発行年月日 1885(明治18)年5月15日号 3面
画家・撮影者 尾形月耕(1859-1920)
小説のタイトル 接木の花(16)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード G016:[妓楼(窓・格子のみも含む)]
Jmi:[見送り;出迎え]
D4ke:[警察官;目明かし]
Wkab:[笠]
D2ni:[日本髪一般]
時代区分・年代 19世紀後半;1872(明治5)年
国名 日本
特定地域 東京;吉原
キーワード 商人;天水桶(てんすいおけ);邏卒;素人風;箪笥(たんす)
男女別 男性;女性;女児
体の部分 全身;群像