近代日本の身装文化(身装画像)
説明 郊外の畑道を、どこかの工場勤めの女性が、制服に鴇(トキ)色の腕章をつけて、自転車を走らせて来た。「春風に黒髪がひるがえり、白い脛が逞しくペダルを踏む。きわはその姿を、うつくしいものに思った。現代の美しさは不自然な化粧や、消費のための扮装にはなくて、こういう能動的な景色の中にあるのだ。戦争は人を真面目にする」。戦時中、それも戦災と敗戦が間近かったころの街は、それがかつての歓楽街であっても、絵看板や眼に立つ広告、派手なポスターの類がなくなって、一種清澄な、物静かな景観を生んでいたという。その根底には、灰色の舗装道路や家々のモルタル壁や、小さな商店の木造の店構えや、ビルのなんでもない窓格子など、構造体自身の持っている、寡黙で、素朴な力強さの支配する世界があったためかもしれない。(大丸 弘)
ID No. N43-001
出典資料 読売報知
発行年月日 1943(昭和18)年3月20日号 4面
画家・撮影者 内田巌(1900-1953)
小説のタイトル 巌(16):初うぐひす(2)
作者 舟橋聖一(1904-1976)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード G78:[自転車]
Pov:[オーバーコート(外套)]
時代区分・年代 20世紀前半;1943(昭和18)年
国名 日本
男女別 女性
体の部分 全身