近代日本の身装文化(身装画像)
説明 朝日新聞社の名物記者、杉村楚人冠の作。新聞連載小説はもともと記者が匿名で執筆したものが最初だった。この時代でも著名な新聞人で小説の一つ二つ書いている人はいくらもいる。大毎の社会部長・菊池幽芳のようにどっちが本職かわからない人もいる。楚人冠はこの作品で、山村の地主と小作人の人間関係を取り上げた。左翼の思想や日常活動が煙を上げかけていた時代、新聞人らしい視点であり、新聞人らしい良識によるもの、ともいえる。焚き物にする松葉をいっぱい詰めた、大きな籠を背にした村娘たち。手拭いを被っているのでよくはわからないが、オカッパのように切り下げているらしい髪、船底袖風の縞のきもの、石畳柄の前垂れに、細帯をきりりと巻いている。和服より洋服の方が活動的だという人に対して、こうした農山村の働き着の例を挙げて、日本にもこんな立派な、働きやすい衣服があるのを忘れているのか、という人がある。それに対して、じつは江戸時代の農民女性は、野良でもできるだけ都会からめぐりめぐってきた古着を着ていたから、着にくい振袖を襷で括り、長い裾を端折っていて、そんな活動的野良着など実際にはそう多くなかったのだ、という反論もあった(柳田国男「仕事着の捜索」『明治大正史 世相篇』1931年)。(大丸 弘)
ID No. N27-004
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1927(昭和2)年9月8日号 8面
画家・撮影者 和田英作(1874-1959)
小説のタイトル うるさき人々(30):炭焼小屋(8)
作者 杉村楚人冠(1872-1945)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D5no:[農作業着;野良着]
Wta:[タオル;手拭い;手拭い被り]
Wmae:[前掛;エプロン;割烹着]
時代区分・年代 20世紀前半;1927(昭和2)年
国名 日本
キーワード 村娘;前垂れ
男女別 女性
体の部分 全身