近代日本の身装文化(身装画像)
説明 作者の久米正雄にとっては『蛍草』に次ぐ二作目の長編。もう十年も前に『夢二画集』で有名人だった挿絵の竹久夢二の方に、世間は期待していたかもしれない。雪のため運行が取りやめになった列車の中。大部分の乗客は駅前の宿屋に泊まることになり、数人だけが車内に残っている。遠近法の不正確さのせいか、その車内が不自然に広く感ぜられる。夢二の描く人物が、リアリズムの点からいえば常に歪みをもっていることはだれでも知っている。それはデッサンが下手、というのとは違い、エル・グレコにあり、ルカス・クラナッハにあり、葛飾北斎にあった、ものの見方の強い癖、のためと考えられる。そのため車内の空間も、手前の女性の身装も、かたちの認識の仕方が通常とはちがう。コートを着て、太縞のモヘヤ風ショールをし、新橋風の束髪を結った女、という絵解きは、存在する対象とはべつのかたちの実在を認知している画家の絵については、あまり役にたたない。(大丸 弘)
ID No. N19-004
出典資料 時事新報
発行年月日 1919(大正8)年11月4日号 11面
画家・撮影者 竹久夢二(1884-1934)
小説のタイトル 不死鳥(4):吹雪(4)
作者 久米正雄(1891-1952)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード G7:[乗り物(車内を含む)]
Jno:[乗り物の中]
D2hi:[束髪(庇髪など、後期平型の)]
Vko:[コート(女性和装外套)]
Wku:[頸覆い(マフラー,ストール,襟巻,ショール)]
時代区分・年代 20世紀前半;1919(大正8)年
国名 日本
キーワード 新橋風の束髪;太縞のショール
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥