近代日本の身装文化(身装画像)
説明 若い男女が船遊びしている、というだけがこの日の内容。挿絵に描かれたこの娘のポーズも表情も、船の中で海風を楽しんだり、櫓を漕ぐ男を急がせたりしているようにはとてもみえないが、その日の美人画の読者サービスというだけでも挿絵の存在理由 はあるにちがいない。背景と髪の毛の明度とがあまり違わず、また塗りつぶしすぎのため、束髪の巨大さが目立たず、見ようによってはコサック帽でも冠っているよう。幡恒春のこの挿絵は陰影表現を巧みに使って、次の時代の挿絵美人をつくりだしているが、この段階ではまだ新しい製版技術をのマスターが不十分なこと、その写真製版技術そのものの未熟さのため、やや汚い画面になっている。それにしても、美人を描くとなると、なぜ本文の内容とは無関係な、こうした長襦袢にしごきすがたのような艶姿を提供することになるのだろうか。(大丸 弘)
ID No. N16-004
出典資料 大阪朝日新聞
発行年月日 1916(大正5)年8月26日号 5面
画家・撮影者 北野恒富(1880-1947)
小説のタイトル 裾野(2)
作者 佐藤紅緑(1874-1949)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7sh:[小説のヒロイン;挿絵美人(この年の評判小説中の美人)]
D2hi:[束髪(庇髪など、後期平型の)]
時代区分・年代 20世紀前半;1916(大正5)年
国名 日本
男女別 女性
体の部分 上半身