近代日本の身装文化(身装画像)
説明 「あきしく」というのは菊池幽芳のペンネーム。幽芳は[大阪毎日新聞]の編集部長が本職で多忙の身だったが、小説家としては読者受けのする作品をたくさん発表している。乳姉妹は相続問題を扱った家庭小説で、ほんとうの相続者に贋物が入れ換わるという筋書きはめずらしくない。お妾であるとか、お手つきの隠し子だとか、家名を継ぐための貰い子であるとか、とかく血脈の単純でなかったこの時代らしいテーマで、大いに評判になり、舞台ではふたつの劇場の競作になった。人力車の上の若い母親は丸髷。長い間、女の眉を落とした顔を見慣れていた老人には、とくにこういう濃い眉をもった人妻の顔には抵抗があったに違いない。眉を落とした女の顔はいくぶん老けては見えるが、やさしさがあると受けとられていたらしい。切髪にした女の子の顔は、下半分がおたふく風邪のように異様に膨らんでいる。これはこの時代、京人形風の子どもの顔として常套的に表現された手法だが、多田北嶺の筆に多少やりすぎがあるようだ。(大丸 弘)
ID No. N03-004
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1903(明治36)年8月24日号 6面
画家・撮影者 多田北嶺(生没年不詳)
小説のタイトル 家庭小説 乳姉妹(ちきょうだい)(1)
作者 菊池幽芳(あきしく)(1870-1947)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2ma:[丸髷]
D002:[女の子(小学生くらい)]
Wkas:[傘]
G790:[人力車]
D4ji:[人力車夫]
Wkab:[笠]
Vhat:[半天;どてら]
時代区分・年代 20世紀初め;1903(明治36)年
国名 日本
キーワード 濃い眉;切り髪;膝掛け;菅笠;半纏;腹掛け
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥