近代日本の身装文化(身装画像)
説明 若くして宇都宮近在の大きな農家の跡を継いだ娘。家政を処理するために下婢下僕たちのほかふたりの若い女性を雇った。ひとりは二十歳ばかりで女子師範学校の中退者。もう一人は高等小学校を出ただけだが三十一,二の女で、どちらも書記という肩書。画面はこのふたりが、主人に向かって東京に出ることを勧めているところ。この地の財産のことは月に一,二度おいでになって取締まればよいこと、などと言っている。背後の床脇の上下の棚、袖屏風、襖。どこも念入りの模様で満たされ少々うるさいくらい。家の裕さを強調しているのだろう。羽織を着て座布団に端然と控えているヒロインの髪は束髪。デッサンがやや不正確ではっきりしないが、後ろ髪ではなく鬢(ビン)がかなり張りだしているのは、この時期としてはめずらしい。大きな造花は束髪の特色。ふたりの書記―女性の髪は前髪が極端に小さく、根の下がった髪で、あまり品のよいものではない。絵師三谷貞広の描く衣裳は、きものの角張り方が誇張されているが、お嬢様の着るものと比較しての、木綿のきものの硬さを表現しようとしたものか。(大丸 弘)
ID No. HC89-007
出典資料 大阪朝日新聞
発行年月日 1889(明治22)年4月12日号 3面
小説のタイトル 人情小説 小琅玕(わかたけ)(3):別れ―移転(下)
作者 宇田川文海(半痴居士)(1848-1930)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H6:[和座敷一般]
D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
D005:[20~30歳代の女性;年増]
D2:[ヘアスタイル]
D2ni:[日本髪一般]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
Vhao:[羽織]
D3fu:[懐手]
時代区分・年代 19世紀後半;1889(明治22)年
国名 日本
特定地域 栃木;宇都宮
キーワード 金持ち;真ん中分け;造花;竪縞のきもの;ふところ手;座布団;急須;机;テーブルクロス;袖屏風;手箱;和綴じの本;床脇棚;天袋;地袋;襖(ふすま);数寄屋窓
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥