近代日本の身装文化(身装画像)
説明 夫の急死に逢い、髪を切ったまだ五十にはならない妻。もっとも明治時代では五十に近ければ老婦人といわれた。この日は土用干しだが、奥様が直接手を出すようなことはなく、万事二人の女中に任せて、奥様は団扇片手に夕暮れの迫った縁先に立つ。奥様の切り髪は襟元で切った髪を持ち上げて、後頭部で櫛で留めているらしい。極細かな鮫小紋風の小紋のきものに黒繻子の帯には、当然喪の意味もあるだろうから、おそらく鼠系統の色にちがいない。この絵などは例外的に大きく描かれているが、ふつう細密な小紋は新聞挿絵の大きさでは表現できないから、無地かもっと大きめの柄に画家は描かざるをえない。挿絵から衣服の柄を判断するのはだから無理ということになる。この時代、細密な小紋は、古風で、やや堅苦しい柄として、年輩の女性などには相変わらずよく用いられていた。(大丸 弘)
ID No. HC03-010
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1903(明治36)年8月28日号 4面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
小説のタイトル うつ蝉(28)
作者 半井桃水(1860-1925)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D006:[初老の女性(40~50歳代)]
D2:[ヘアスタイル]
Wou:[扇子;団扇;扇風機]
時代区分・年代 20世紀初め;1903(明治36)年
国名 日本
キーワード 未亡人;小紋のきもの;黒繻子の帯;うちわ;後ろ姿;背面;簀戸(すど);簾戸(すど);葦戸(よしど)
男女別 女性
体の部分 全身;上半身