近代日本の身装文化(身装画像)
説明 〈誘惑(2)〉のこの女性は銭湯の帰りで、「英ネルの単に派手なお召しの羽織を無造作に引っかけて、羽織の紐をダラリと下げて居たのが如何にも仇っぽく見えた」とある。〈帰朝(1)〉の方は大首で、「色白の細面に似合う金縁眼鏡が才はじけて見える面貌(オモザシ)しをいよいよ引立たした」とあって、美しさにも賢さにも恵まれたヒロインであるらしい。その美貌の女性に眼鏡を掛けさせているのは、これまでの小説ではほかに例がないのではないか。牧師作家・沖野岩三郎のこの処女作は、明治学院の同窓だったある人物を描いたものなので、ヒロインの眼鏡はそのモデルに従ったのかもしれないが、風俗としての眼鏡美人もチラホラと現れはじめていたのも事実。眼鏡を掛けることで賢そうに見える、ということらしいが、賢そうな女が嫌われない時代になったのだ。もっともこの時代の眼鏡はすべて丸眼鏡で、両端の吊り上がったウェリントン型のような、表情のきつさを強調するようなものはまだなかった。(大丸 弘)
ID No. H01-036
出典資料 大阪朝日新聞
発行年月日 1918(大正7)年9月10日号 4面
画家・撮影者 幡恒春(1883-1944)
小説のタイトル 宿命:帰朝(1)
作者 沖野岩三郎(1876-1956)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7sh:[小説のヒロイン;挿絵美人(この年の評判小説中の美人)]
D2hi:[束髪(庇髪など、後期平型の)]
Wme:[眼鏡]
Vhan:[半襟]
時代区分・年代 20世紀前半;1918(大正7)年
国名 日本
キーワード 丸眼鏡;めがね美人
男女別 女性
体の部分 頭部;上半身