近代日本の身装文化(身装画像)
説明 女芝居の若手役者とその虫――。「苦み走った三十五六、三尺に尻端折りした袢纏着」という男。男の風体は職人だが、女役者の紐になっていることを蔭で自慢にしているような人間で、早くいえば遊び人。紺の腹掛け股引に突っかけ草履、肩にひょいと手拭いを載せている、という誂えたような姿。「ええ面白くもねえ、もう初めっから剣突だ(……)ヘン、邪魔にされちゃあ引合わねえ、帰(ケエ)ろうよ、馬鹿馬鹿しい」といった拗ねたようなセリフがすぐ出て威しをかけるところなど、落語の「文違い」のやくざ男と少しも変わらない。髪を鬘下(カヅラシタ)に巻いている女役者は、外出には「吾妻外套(コート)に頭巾を目深に」人目を避けている。贔屓のある華族から捲きあげた金で祝杯を挙げたいが、「だって頭がそれだもの、頭巾を脱がねえ訳にも行くめえし(……)」と、一目で役者とわかる髪型のために、手を焼いている。(大丸 弘)
ID No. G01-011
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1898(明治31)年3月7日号 5面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
小説のタイトル 楽屋銀杏(27)
作者 武田仰天子(1854-1926)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D016:[中年~初老の男性]
Vmom:[股引]
Wki:[喫煙関連;タバコ;キセル]
D80:[姿勢;ポーズ(特異な姿勢・ポーズ・格好一般)]
D4en:[エンターテイナー;芸人]
Vka:[掛襟]
Vko:[コート(女性和装外套)]
時代区分・年代 19世紀終わり;1898(明治31)年
国名 日本
キーワード 遊び人風;腹掛け;女役者;鬘下;吾妻コート;煙管(きせる);火鉢;火箸;吊りランプ
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥
関連情報 D10-023, G01-011, G01-012