近代日本の身装文化(身装画像)
説明 〈憂きみの笠〉では、いままで世話になっていた華族の若様から、出し抜けに「少ないけれど手切れのつもりだ」と、四百円の札束を出された新橋の芸者。本文では、そんなお金は受け取れないと抗う女を振り切って、男が立ち去ってしまう。そのあとで、「あのご様子では、もしや無分別でもなさるといけないが、アアどうしようと身を焦り、ワッと涙にかきくれぬ」と一人だけの場面。芸者は自分の家にいるときも曳いていたから、裾が扇形に美しく開いている。帯は柳。髪は芸者島田かつぶし。女のたしなみとして、膝を揃えて畳に突いているため、帯と臀部が屹立し、滑稽感がある。〈夜半の嵐〉では夫の死を知った、同じ愁嘆場だが、身体が横倒しになって、身もだえする感じ。比較すると芸者はあくまでも、前にいる相手を意識し、それに向かって泣き、かつ訴えているのに対し、人妻の方は全身の力が抜けた、という姿。膝も崩れているので臀部は横倒しだが、帯だけは大仰に見える。(大丸 弘)
ID No. G01-006
出典資料 やまと新聞
発行年月日 1892(明治25)年2月17日号 1面
画家・撮影者 水野年方(1866-1908)
小説のタイトル 夜半の嵐(67)
作者 条野採菊(採菊散人)(1832-1902)[補綴]
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2ni:[日本髪一般]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
Vob:[帯]
D3hi:[曳裾]
D801:[強い悩み・悲しみ・口惜しさ・羞恥の表現]
H032:[屋内よりみた窓の周辺]
H59:[出入り口・窓越しの外の風景]
時代区分・年代 19世紀終わり;1892(明治25)年
国名 日本
キーワード 華族の奥様;櫛;曳き裾;突っ伏す;号泣する;屏風;襖(ふすま)
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥;横臥
関連情報 G01-005, G01-006